アメックスGBT、上半期めどに上場 53億ドル評価予想 名称変更もブランド継続

2022.01.10 00:00

 アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(GBT)は、特別目的買収会社(SPAC)のアポロ・ストラテジック・グロース・キャピタルとの合併を通じて22年上半期をめどに上場する。合併後はグローバル・ビジネス・トラベル・グループに改名するが、GBTのブランドで業務を継続する。

 時価総額は53億ドルの予想。最大12億ドルの資金調達が見込まれ、そのうち3億3500万ドルはアポロ、セーバー、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズなどから出資される。これらの企業は株主となり、既存株主のアメリカン・エキスプレス、エクスペディア・グループ、サータレスに加わる。

 GBTのポール・アボットCEOは「上場は歴史的なマイルストーンになる。新しい投資家からのコミットメントはわれわれへの大きな信頼」と述べた。同社は19年に全世界の出張旅行で390億ドルを取り扱った。競合のBCDトラベルより40%多い。調整後EBITDAは5億200万ドル。コスト削減も貢献し、事業が19年の70%程度まで戻れば、調整後EBITDAは同水準に回復するとみる。

 GBTは昨年11月にエクスペディア・グループからエジェンシアの買収を終え、中小企業の顧客数が2倍になった。中小の19年の総旅行費は推定2700億ドルで、管理されているのは30%のみ。大きな成長機会を生んでいる。


この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「AMERICAN EXPRESS GBT WILL GO PUBLIC VIA SPAC AT $5.3B VALUATION」

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