北陸新幹線延伸、関東圏から7割増 福井県推計 観光・宿泊施設も盛況

2024.04.22 00:00

首都圏では福井と直接つながる新幹線延伸開業の告知がそこかしこに見られた

 北陸新幹線の金沢/敦賀間の延伸開業により、福井県への来訪者が関東圏を中心に大幅に増加している。能登半島地震の影響が懸念されたが、それを明白に裏付けるようなデータは見られないようだ。

 福井県の発表によると、開業した3月16日から31日までの来県者数は前年同期比30.5%増の38万2000人。特に関東圏からの来訪が大幅に増加して67.8%増の7万1000人となった。もともと4割程度を占める関西圏は18.4%増の13万2000人、北信越は関西圏に次ぐ人数で20.9%増の9万9000人だった。ビッグデータを活用し、福井、敦賀、芦原温泉の各駅周辺の来訪者数を基に推計した。

 交流人口の拡大により、県内消費も増加している。福井駅周辺の商業施設では、売り上げが想定の約2倍となった。あわら温泉では、宿泊客が開業前の約1.5倍に増加し、満室が週末を中心に多くなっているという。

 北陸新幹線の開業後2日間(3月16~17日)の利用者数は金沢/福井間で6万人。前年同期比で20%増、19年比でも23%増となった。また、JR 東日本管内から金沢・福井方面への利用者数は3月16~31日で前年より2割程度増えたとしている。

 主要観光地の入込客数も恐竜博物館では19年比36.9%増の7万人、一乗谷朝倉氏遺跡博物館は前年比26.7%増の1万2000人に増加した。

 宿泊施設では開業前(2月29日~3月15日)との比較で、特にあわら温泉(10施設)の宿泊者数が大きく増加し50.4%増の1万7683人。福井駅前(3施設)は23.0%増の1万7683人、小浜(5施設)では39.2%増の2815人となるなど、福井県全体で好調な滑り出しとなっている。

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