海外旅行市場、業務渡航とレジャーで回復率に差 団体は下期へ上向き

2023.07.17 00:00

JATAの髙橋広行会長

 海外旅行市場の回復は事業領域によって大きな差が生じている。観光庁がまとめた主要旅行業者43社の1~4月の海外旅行取扱額に関し、JATA(日本旅行業協会)が各社の事業領域に基づきカテゴリー分けしたところ、業務渡航の回復率は19年同期比65.8%だった。全体の35.1%を大きく上回る。一方、レジャーは22.3%と低く、遅れが目立った。

 JATAの髙橋広行会長(JTB取締役会長)は7月5日の記者懇談会で、「国内旅行は堅調に推移し、訪日旅行は中国次第でさらなる拡大が見込める。海外旅行が喫緊の課題」とし、「三位一体のツーリズムの復活を早急に実現したい」と述べた。

 JATA は観光庁と共同で5月10日に「今こそ海外!宣言」を発出。併せてパスポート取得費用サポートキャンペーンなどを実施している。髙橋会長は「夏休みに向けて回復率は10ポイントほど上昇しており、下期に向けて団体旅行の引き合いも出てきている。秋には5 ~6割になるだろう」と見通した。24年中には19年水準に回復させたい考え。

 酒井淳副会長(阪急交通社代表取締役社長)によると、都市部のハードリピーター、ビジネスクラス、割安感のある近場、日本発着クルーズが好調。一方、都市と地方では差があるとした。

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