LGBTQ+への対応を宿に指南 ブッキング・ドットコムが研修プログラム 受講者を認証

2024.04.29 00:00

発表会にはドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさん(中央)も出席して旅行体験を披露

 ブッキング・ドットコムは、恋愛対象や性自認に関係なく、誰もが安心して楽しめる旅の実現を目指す取り組みを進めている。この一環として、LGBTQ +(性的マイノリティー)の旅行者が差別などを感じることなく快適に過ごせる環境づくりに向けて、日本の宿泊施設に受け入れ研修システムの提供を開始した。

 名称はトラベルプラウドプログラム。宿泊施設に無料で日本語のオンライントレーニング(2時間弱)を提供する。LGBTQ +の旅行者が抱えている懸念などへの理解を深め、適切なサービスが行えるように後押しをする。

 受講するとLGBTQ+にフレンドリーな施設として認証される。ブッキング・ドットコムの検索画面で認証施設として表示されるため、LGBTQ +の旅行者からの予約が得やすくなる。

 プログラムは21年から英語版でスタートした。対応言語を順次増やしているが、アジア言語では日本語版が初めて。4月からトレーニングが始まったばかりだが、すでに約600軒の施設が受講を申し込み、4月19日時点で約130軒が実際にトレーニングを受けて認証を取得した。

 全世界では139カ国・地域の1万2200都市に、6万5000軒の認証を受けた宿泊施設があるという。今後、日本での増加を見込んでいる。4月19日に都内で日本語版プログラムの提供開始を発表したローラ・ホールズワース・アジア太平洋地区担当マネージングディレクター兼副社長は、日本は魅力的な旅行先だが、世界経済フォーラムによる23年のジェンダーギャップ指数ランキングで世界146カ国中125位となるなど課題に言及。「宿泊施設に対する教育の努力を継続する必要がある」などと指摘した。

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