日本人のパスポート保有率17%に低下 22年発行数は3年ぶりプラス 女性・若年層がけん引

2023.03.13 00:00

 外務省の旅券統計によると、22年に国内で発行された一般旅券数は前年比137.1%増の121万8692冊となった。19年までの5年連続プラスから、コロナ禍の影響で20年は71.7%減の123万4928冊、21年は58.4%減の51万3943冊と大幅に減少した後、3年ぶりに増加に転じた。渡航制限が徐々に緩和されるのに伴い、月別の発行数は9月以降、右肩上がりで推移した。

 しかし、保有率を示す有効旅券数は2091万5143冊で、日本人人口に占める割合は17.1%。もともと低水準だったところ、19年の23.8 % から、20年21.8%、21年19.2%と減少し、ついに2割を割り込んだ。

 22年の発行数を性別に見ると、女性が142.7%増の62万1454冊で、男性の131.6%増・59万7238冊を伸び率・実数とも上回った。冊数の男女比は49.0%対51.0%で、それほど大きな差はない。ただし若年層では女性の取得割合が高く、特に20代は女性が58.9%と6割近くを占めた。

 年代別で最も伸びたのは20代で208.4%増、次いで19歳以下の184.9%増、30代の135.0%増と、若年層の大幅な取得増加が目立つ。シニア層も増えてはいるものの、感染拡大の影響が残るなか、若年層に比べて海外渡航にまだ慎重な様子もうかがえる。

 増加冊数で見ると、トップは20代女性で10万6447冊、次いで19歳以下女性の8万9717冊、19歳以下男性の7万5304冊、20代男性の7万1689冊と続き、若年層と女性層が目立つ。

 都道府県別ではいずれも2倍以上の伸びで、トップの佐賀は3倍(202.4%増)。次いで福井(193.1%増)、山梨(191.2%増)、和歌山(171.9%増)、岐阜(167.5%増)の順。冊数トップの東京は127.6%増だった。

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