空飛ぶクルマ、実現へ準備着々 国交省がFAAと連携 米国製の型式証明も受理

2022.10.24 00:00

ジョビー・アビエーションが開発したeVTOL。乗客は最大4人まで搭乗できる(写真提供/Joby Aviation)

 次世代モビリティーとして期待される空飛ぶクルマの実用化に向け、準備が進んでいる。トヨタ自動車が出資する米新興企業ジョビー・アビエーションは10月18日、国土交通省に型式証明の取得を申請した。日本のスカイドライブに続き2社目で、外国製の申請はこれが初めて。また国土交通省は同日、米国連邦航空局(FAA)との間で空飛ぶクルマに関する協力声明に署名し、制度の整備に向けて情報交換や協力を進める。

 型式証明とは、機体が安全性や環境適合性など基準に適合していることを国が証明するもので、日本で事業を行ううえでの前提となる。21年10月にスカイドライブが申請したが、取得には飛行試験など厳しい審査を経る必要があり数年かかるとされ、まだ取得できていない。

 ジョビー・アビエーションが開発しているのは、電動式で垂直離着陸するeVTOL(イーブイトール)。乗客最大4人が搭乗でき、航続距離は約240㎞。今年2月にはANAホールディングス(ANAHD)と提携した。運航システムの開発やパイロットの訓練、航空管制や離着陸ポートなど地上インフラ整備などを共同で進める。ANAHDは日本国内の大都市圏を中心に旅客輸送サービスを行いたい考えで、地上交通より快適で移動時間を大幅に短縮できる価値の提供を描く。

 日本が目指すのは、25年に開催される大阪・関西万博での実用化だ。空港と万博会場、都市部などへの旅客輸送や遊覧飛行を視野に入れる。これに向け、国交省と経済産業省は、運航管理技術の開発などを行うほか、機体の安全、操縦者の技能証明、離着陸場の設置に関する基準の整備など進めていくこととしている。

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