アドベンチャー旅行でアジア首位へ JNTOが新訪日促進戦略 大阪万博にも焦点

2023.07.10 00:00

 日本政府観光局(JNTO)は観光庁とともに、23~25年度を対象にした新たな訪日マーケティング戦略を策定した。観光立国推進基本計画で掲げられた持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客促進の実現を図る。市場横断で取り組むテーマ別戦略に、高付加価値旅行、アドベンチャートラベル(AT)、大阪・関西万博の3つを据えた。

 高付加価値旅行では、訪日1回当たりの国内総消費額が100万円以上の旅行者数をターゲットに据え、コネクションづくりに力点を置いた。コネは誘致する側に欠かせない要素とされる。観光庁が選定した11のモデル観光地を中心に、高水準のサービスを志向する層の特性を踏まえたプロモーションや国内関係者のネットワーク化などを進める。推進には、JNTO内に設置した高付加価値旅行専門の推進本部を最大限に活用する。

 アドベンチャートラベルは市場規模が大きい欧米豪がターゲット。世界最大の国際団体アドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーション(ATTA)と連携し、日本各地での取り組みを支援し誘客を促す。9月に北海道で開催されるアドベンチャートラベル・ワールドサミットをチャンスと捉え、25年にアジアでナンバーワンのデスティネーションになることを目標に掲げた。現状では米国を筆頭に欧州、アフリカ、中南米が上位を占める。そこへ日本がアジアで初めて食い込み、この分野をけん引したい考えだ。

 万博では中国・台湾、米国・イタリア・ドイツ・中東などがターゲット。コロナ後に初めて日本で開催されるメガイベントの機運醸成を推進する。開催1年前から開催中には、訪日旅行の認知拡大や予約促進、万博から地方への誘客促進を図る。