クルックが訪日需要回復戦略　デジタルで人手不足解消　流通事業者との協業も強化

2023.03.06 00:00

　旅行・体験予約サイトを運営する香港のクルックは日本で、昨年10月の水際対策緩和以降に急増している訪日旅行市場への対応を強化する。来日したイーサン・リン共同創業者兼CEOが明らかにした。デジタル化、サプライの多様化、SNS を駆使したダイナミックなコンテンツの3本柱で日観光の回復を支援する。

　デジタル化は訪日観光の課題である人手不足の解消を図る。東急、西武、東武の私鉄各社が導入済みの電子乗車券や、宇都宮動物園が導入したオフラインQR決済、ホワイトラベルとしてクルックの予約・決済機能を提供する取り組みなど、技術力を生かしたソリューション提供を拡大する。

　サプライの多様化はデジタル観光周遊商品「Klookパス」の販売を通じて、特定都市や観光施設への需要集中を分散し、オーバーツーリズム回避につなげる。また日本の流通事業者と連携しショッピングクーポン提供による需要喚起にも取り組むとし、2月22日からはビックカメラ、松屋銀座の訪日客向け割引クーポンの提供も開始した。

　さらに世界中の1000人以上のインフルエンサーとのつながりを生かして日本の情報を拡散するほか、SNS を通じて日本の魅力の発信を強化する。

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