エクスペディア、海外旅行の回復促進へ大々的訴求 マルチチャネルで背中押す
2024.03.04 00:00
日本人の海外旅行需要を促進しようと、エクスペディア・グループが大々的なキャンペーンを展開している。1月15日にテレビやラジオ、デジタルを中心に広告を始めると、2月には動画配信大手のネットフリックスと提携し、CM動画をスタート。駅構内大型ビジョンでの広告や、祝日にはラジオ局J-WAVEで「世界での体験」をテーマに9時間の特番を行った。コロナ禍の期間中に新たな旅行支援機能を開発し、再開に備えてきた。旅行者の課題を取り除くサービスの訴求と併せ、旅行への一歩を踏み出してもらう狙い。
広告のメッセージは「いつものそとへ」。キャンペーンは米国や豪州、メキシコなど世界各国で展開するが、重視する日本を皮切りとし、他国とは異なる独自のメッセージを考案した。
日本人の海外旅行者数は1月の段階で19年同月の58%の水準。背中を押すきっかけや仕掛けが必要となるが、マルチチャネルで海外旅行の魅力を大々的に伝える企業はなかなかいない。そんななか、グローバルOTA(オンライン旅行会社)が動いた形となった。
来日に伴い会見したピーター・カーン最高経営責任者(CEO)は、世界の中でも日本の回復の遅れを認めたうえで、「経済的な面や円安の影響があり、少し時間はかかるかもしれないが回復は見込める」と期待を示す。
新たに備えた機能は、航空券の価格変動のプッシュ通知や宿泊施設のオプション比較などで、最適なタイミングで予約と選択を行えるようにした。電話やX(旧ツイッター)で24時間年中無休の顧客サポートも導入する。カーンCEOは「価値を見いだすことができるプロダクトを提供していくことで、成長を維持できる」などと話した。
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