2大OTA、マーケティング費60億ドル減 21年は増加の可能性
2021.03.22 00:00
エクスペディアグループとブッキング・ホールディングスの20年の販売・マーケティング費用は過去数年の中で最低レベルに落ち込んだ。2社合計で47億ドルと19年比で60%近く減少しており、ブッキングは55%減の22億ドル、エクスペディアは57%減の25億ドル。両社は17年に98億ドル、18年に106億ドル、19年には110億ドルと最高額を費やしている。
同2大OTA(オンライン旅行会社)のマーケティング費は、グーグルが航空券や宿泊予約に忍び寄っていることと検索の優位性を鑑み、継続的に精査されてきた。グーグルは2社から得るマーケティング収入の大部分を失い、財政的圧迫を受けたとみられる。しかし、旅行が再開される21年にそうした低支出が継続される可能性は低い。
新しい戦いも待ち受けている。昨年12月に上場したエアビーアンドビーは新規顧客の獲得と認知度向上を目指している。同社は長年にわたりクリック課金広告を避けており、20年第4四半期のマーケティング費は6億3000万ドルと控えめだが、前年同期から44%増。これに対し、ブッキングは3億8600万ドル、エクスペディアは5億1100万ドルとはるかに少ない。エアビーはホスト獲得のため大規模キャンペーンを打ち出している。
この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「Expedia Group and Booking Holdings slashed marketing by $6B in 2020 (but Airbnb now makes an entrance)」
【あわせて読みたい】エアビーアンドビー上場 エクスペディア、7~9月期の業績改善 ブッキング・ホールディングス、7~9月期は予約減少幅が縮小
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