2024年6月17日号>ツーリズムの現在地と未来 時代の転換期に探る産業のこれから

2024.06.16 00:00

 渡航自由化60周年という節目の年はかつて経験したことのない時代の転換点にあることは誰もが認めるところでしょう。それではこの先の未来をどう描いていくか。そんな大きなテーマがいまを生きる私たちには問われています。正解のない問いだけに作家の真山仁さんは「いま日本に必要なのはチャレンジ」といいます。特別編集号の企画にあたっても時代に挑んだ人々に光を当てるよう努めました。還暦を迎えた産業界がこれからどう生まれ変わるのか。還暦を迎えた本誌とともに見守っていきます。

【特集】
 *ツーリズムの現在地と未来
  時代の転換期に探る産業のこれから

 1964年4月1日、海外観光渡航が自由化された。当時、羽田空港で記念撮影に納まる海外旅行参加者の姿は背広姿にネクタイ、女性は着物姿が目立ち、のぼりを立てて見送る人々の姿も見られた。海外旅行は特別なものだった。その後のパッケージツアーの登場で海外旅行は一気に身近なものとなり、発展・拡大の道を歩んだ。ところがコロナ禍を経て訪日旅行市場の順調な回復を尻目にその糸口をつかめていない。海外旅行は再び遠い存在になってしまった。
 時代の転換期を迎えたいま、あらためてこの60年の足跡を振り返りながらツーリズムの現在地を確かめ、産業のこれからを展望していく。

  ▽PART1 60年の足跡
   渡航自由化から60年
   1960年代 観光基本法と第2の開国
   1970年代 パッケージツアーと旅行業法
   1980年代 高度成長とテン・ミリオン
   1990年代 バブル崩壊と旅行業者責任
   2000年代 インターネットと観光立国宣言
   2010年代 訪日市場拡大と新たなモデル
   2020年代 コロナ禍での消失と産業の再生
  ▽トラジャルグラフィティ
  ▽PART2 政策・市場・地域
   ツーリズムの現在地と未来
   本保芳明(国連世界観光機関駐日事務所代表)
   黒須宏志(JTB総合研究所フェロー)
   中井治郎(観光社会学者)
  ▽PART3 キーパーソンの視点
   ツーリズム産業の2030年を見据えて
  ▽PART4 60周年特別対談
   観光のイノベーション
   行方一正(ピーストラベルプロジェクト代表取締役社長)
    ×
   永瀬駿平(フォーウィン代表取締役社長)


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コラム
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 *ぶらっとまち歩き 以倉敬之(まいまい京都代表)
 *宿泊ビジネスの灯 井門隆夫(國學院大學観光まちづくり学部教授)
 *トラブル処方箋 小池修司弁護士がアドバイス
 *3万フィートのおもてなし 中西克吉
 *ビジネスパーソンの日々雑感 松浦賢太郎

統計・資料
 *旅行業主要43社3月の取扱状況
 *国・地域別訪日外国人客数
 *渡航先別日本人訪問客数

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