感染の終息見極め、1.7兆円の国内観光喚起策 訪日は路線回復に注力

2020.04.13 00:00

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大で甚大な被害を受けている観光業を支援するため、流行の終息期に1兆6794億円を投じて官民一体の需要喚起キャンペーンを実施する。飲食業やイベント・エンターテインメント業も対象とし、宿泊・日帰り旅行の割引や観光地で幅広く使えるクーポンの発行を支援する。19年の旅行消費額27.9兆円の約8割を占める国内旅行を優先して掘り起こす。訪日旅行は諸外国の状況を見極めながら、誘客が可能と判断した国との間で路線再開を働きかける。

 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、20年度補正予算案を閣議決定した。「Go To キャンペーン」(仮称)と銘打ち、国土交通省、経済産業省、農林水産省が連携して終息後の一定期間に展開する。

 旅行業者から商品を購入すると、代金の半額分の割引とクーポンが付与される仕組み。配分は今後決めるが、代金の割引だけでなく、土産店や観光施設でクーポンを利用できるようにし、観光地全体の消費を促す。宿泊の場合、1人につき1泊当たり最大2万円で、泊数に上限は設けない。

 飲食の分野でも、オンライン予約サイトで予約すると店で使える最大1000円分のポイントを付与する。イベント等のチケット購入者には、2割相当の割引等を提供する。

 訪日プロモーションには96億円を投じる。各国の渡航制限を受け、国際線の約9割が運休しており、まずは路線復活に注力する。再開の是非を判断する仕組みを構築し、可能と見れば航空当局間で運航再開を働きかける。

 このほか、反転攻勢に向けた基盤づくりとして、観光イベントや観光資源の磨き上げ、観光地の受け入れ環境整備も強化する。