観光庁概算要求、33%減の458億円 ワーケーションやブリージャー普及へ事項要求

2020.10.05 00:00

 観光庁は21年度予算の概算要求で、前年度当初予算比32.8%減の457億5700万円を求めた。一般会計で1.6%減の167億5700万円を要求し、国際観光旅客税収入充当分は出国者の減少を鑑み43.2 % 減の290億円とした。コロナ禍で要求ルールが変わり、要求額を前年度同額とする一方、コロナ関連対策など必要経費は項目のみの事項要求ができる。観光の再生に向け、働き方改革と合致した新たな旅のスタイルの普及・定着を図り、訪日旅行の再開を見据えた取り組みを推進する。

 事項要求では、環境の変化に即した3つの新規事業を盛り込んだ。今後の動向を踏まえつつ、予算編成過程で予算額を含めて具体化される。事業の柱の1つがワーケーションやブリージャーの普及で、受け入れ地域の環境整備と実施する側の企業や旅行者への啓発をモデル事業として併せて展開し、旅行会社の商品造成を支援する。混雑解消による旅行需要の平準化と国内旅行消費額の拡大を図る狙いだ。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による観光サービスの変革も掲げた。オンラインツアーでの来訪意欲の増進、高精度即位技術や5Gなどを活用した観光コンテンツの創出などを想定している。

 宿泊施設を核とした地域での新たな観光ビジネスも支援する。3密回避と付加価値向上を両立させる改修など施設単体の施策に加え、飲食施設の共有や共同ワーケーション施設の整備など、事業者間の連携を促す。

 訪日プロモーションなど、計約16億円を投じる継続事業は感染の収束を見極めつつ誘客が可能となった国から順次再開する。このほか、特別会計で福島県の観光復興支援に同額の3億円を求めた。