DAOってなんだ? 分散型自律組織が変える地域づくり

2024.03.25 00:00

(C)iStock.com/RyanKing999

DAOという枠組みを使い、宿泊施設の開発スピードを速めたり、旅行者誘致や地域経済の活性化につなげる事例が生まれつつある。DAOとは一体何者で、観光の発展にどのような可能性を秘めているのか。

 暗号資産やNFTなどの単語と共に、最近とみに耳にすることが増えたのがDAOである。この3つはいずれも、次世代インターネット「Web3.0」の始まりとともに登場した。Web3.0を支える基盤技術の1つ、ブロックチェーン技術によって生み出されたのが暗号資産とNFTであり、それらが機能するWeb3.0の世界に適応する新しい組織の概念がDAOである。

 Decentralized Autonomous Organizationの頭文字を並べたDAOは、日本語に訳すと「分散型自律組織」となるが、言葉だけでは何のことやら分からない。新語だからイメージできないのも当然だ。中央集権的で上意下達の意思決定が行われる既存の企業組織とは違い、組織運営に特定のリーダーが存在せず、組織の運営方針はコミュニティーメンバーの投票結果で決めるフラットな組織だ。またこの投票行動や結果は各メンバーがリアルタイムで確認できるため、透明性が高い。

 DAOのコミュニティーに参加する者は、ガバナンストークンと呼ばれる暗号資産を入手する必要があり、これがコミュニティーの活動資金となる。ガバナンストークンは株式会社における株券のようなものだ。

 既存の組織や概念と比べると、インターネット上で活動資金を募る点ではクラウドファンディングに通ずるものがある。しかし、クラウドファンディングは起案者がプロジェクトをリードするため、支援者はプロジェクトの運営には基本的に関わることができない。またプロジェクト単位で解散となるクラウドファンディングに対し、DAOはプロジェクトが終了してもコミュニティーは存続し、次のプロジェクトに参画することもできる。

暗号資産・NFTとセット

 DAOはブロックチェーン技術を生かしたスピーディーな資金調達が可能なうえ、ガバナンストークンを持つステークホルダーの参加意欲を高く保てること、さらにはプロジェクトが成功すれば、トークンの値上がりによって資産価値が増すことも注目点だ。またプロジェクト推進のために労働力や専門知識を提供すればトークンを増やせるなど、その獲得方法を工夫できる点も高い注目を集めている。ただし、DAOはあくまでもWeb3.0時代に適した組織形態として注目されているものであり、暗号資産やNFTの特性と重なってこそ価値がある。

 その意味では、暗号資産とNFTについても知っておく必要がある。暗号資産はFungible Token(代替性トークン)でFTと略される。対してNFTはNon-Fungible Token(非代替性トークン)の略称だ。違いは「非」が付くか付かないかだけ。どちらも広い意味では暗号資産とされるが、一般的に暗号資産と表現する場合は仮想通貨の意味が込められることが多い。

 FTは別のFTと等価交換できる代替性を持つのが特徴で、通貨のように幅広く使うことができ決済にも使える。一方、NFTは唯一の存在であり、別のNFTと等価ではないため代替性がなく、通貨のような使われ方はしない。言い換えれば、幅広く使えて決済などにも利用できれば、それはFTと見なされ、取り扱う者にはNFTより厳しい資格要件が課される。

 それゆえ、取り扱いのハードルが低いNFTを発行し、購入者が取引市場でFTに交換するといった仕組みを採用する事業者が多い。このため、Web3.0の世界では、NFT、FT、DAOをセットで取り入れたビジネスを推進する傾向にある。

【続きは週刊トラベルジャーナル24年3月25日号で】

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