ブッキング・ドットコム問題、集団訴訟に発展 支払い遅延で 支社の対応にも不満
2023.11.06 00:00
大手旅行予約サイトのブッキング・ドットコムによる宿泊料金の支払いが大幅に遅延しているとして、宿泊施設のオーナーら11者は10月20日、オランダ本社と日本支社を相手取り、集団訴訟を起こした。未払い分など計約3670万円の賠償を求めている。事の発端は7月に同社が実施した決済システムのメンテナンス作業の不具合で、予定日を大幅に過ぎても料金が支払われないことが問題となっているが、原告側は支社の対応にも大きな不満を募らせている。
原告は旅館やアパートメントホテル、カプセルホテルなど。いずれも小規模施設が多い。宿泊者が事前決済を行う場合、本社が料金を回収し、手数料を差し引いて施設に支払うが、これらの施設は7月以降未払いで、支社に繰り返し催促をしてきた。
支社は件数を公表していないが、原告以外にも遅れが生じている施設はあるという。一方でまったく遅延していない施設や一旦支払われても再び遅延するなど、ケースはまちまち。
日本との取引は銀行送金が一般的で、海外からは複数の金融機関を経由するため、状況の把握を困難にしている。支社は機能上、決済の運営や管理に関与していないとするが、長引く問題を受けて情報収集などに当たり、「かなり解消が進んでいる」(広報)と話す。
ただ、訴訟にまで発展した要因の1つは支社の対応だ。訴状では、原告はブッキング・ドットコムは外国法人のため、宿泊施設から要望を直接伝えることは困難で、支社は窓口として遅延の具体的理由などを回答する義務を負っていると指摘する。しかし、「一切真摯に対応しない」と非難。本社の支払いを引き延ばし、料金の領得を幇助する行為と断じた。
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