地銀2行が相互誘客プロジェクト みなと銀行とひろぎんグループ 特別な旅行企画

2023.10.16 00:00

 関西みらいフィナンシャルグループで兵庫県が地盤のみなと銀行と、ひろぎんホールディングスの子会社でまちづくり事業などを広島で展開するひろぎんエリアデザインは、地元の観光市場活性化を図るため、相互誘客プロジェクトを11月に実施する。地域に密着した金融グループの強みを生かし、地域の文化的・歴史的価値を核に、一般的に流通していない特別な体験ができる旅行を企画する。

 互いの顧客に旅行を販売し合う。各グループと取引のある地元の旅行会社を通じてツアーを販売する仕組みとすることで、地域経済活性化への寄与も目指す。

 みなと銀行は兵庫での訪問先を広島の旅行会社たびまちゲート広島に、ひろぎんエリアデザインは広島での訪問先を兵庫で旅行業も営む神姫バスに提案して商品化し、顧客に販売してもらう。相互に送客を受ける手配も行う。

 みなと銀行の顧客に販売するのは、老舗旅館を改修して今春オープンした「Ryokan尾道西山」に宿泊し、水戸岡鋭治氏がデザインした神姫バスの特別仕様観光バス「ゆいプリマ」で瀬戸内を巡る1泊の旅。Ryokan尾道西山の創業家から旅館と尾道豪商文化の解説を、平山郁夫美術館館長から絵画の解説を聞けるのがポイント。

 ひろぎんグループの顧客に販売するのは、ゆいプリマで行く城崎温泉1泊の旅。創業160年の旅館「西村屋」の伝統を継承した新しいスタイルの宿を体感するほか、豊岡の鞄文化を100年以上守り続けるマスミ鞄嚢での工房見学などを織り込んだ。

 両社は今後も、観光分野をはじめとする多様な取り組みを通じて、地域の魅力を発信し、地域経済の発展に貢献するとしている。

【あわせて読みたい】横浜銀行、訪日客向けに県内ツアー 食や歴史体験 みずほ銀行、DXで八丈島の観光振興 町と包括連携協定 AIでクジラの回遊予測 福井銀行、旅行業に参入へ 観光地域商社を設立 富裕層向け着地型商品や物販  2021年6月14日号>地方銀行の観光振興 地域を変える新たな枠組み 地方銀行の観光振興 地域を変える新たな枠組み