みずほ銀行、DXで八丈島の観光振興 町と包括連携協定 AIでクジラの回遊予測

2022.09.05 00:00

左から牛窪恭彦みずほリサーチ&テクノロジーズ副社長、山下奉也八丈町町長、梅宮真みずほ銀行副頭取

 みずほ銀行とみずほリサーチ&テクノロジーズは八丈島のスマートアイランド化に取り組む。東京都八丈町とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により地域振興などを目指す包括連携協定を締結した。従来の金融業の枠を超え、最新のデジタル技術などを活用し、八丈島ならではの魅力を生かした持続可能な地域社会の実現を支援する。

 東京都の施策で八丈町が今年度から3年間展開する東京宝島サステナブル・アイランド創造事業の一環。みずほは事務局機能を担う戦略パートナーとして、地域社会や行政が抱える課題解決への取り組みを進める。このうち基幹産業の観光業では、島の自然や固有資源とデジタル技術を掛け合わせ、自然環境と共生した観光業の活性化を図る。

 近年注目を集めているザトウクジラのホエールウオッチングで、回遊して来る時期の予測精度を高められるよう陸上定点カメラとAI(人工知能)の画像認証技術などを活用したシステムを開発し、観光客などへの情報提供に役立てる。VR(仮想現実)による観光コンテンツを制作して八丈島の魅力を幅広く伝えるほか、観光情報を発信するアプリの開発なども計画している。

 八丈島を訪れる観光客はコロナ禍前の年間約12万人から21年は7万人に大きく減少した。この落ち込みの回復を目指す。みずほ銀行は島内唯一のメガバンクとして店舗を開設し、長年にわたり地域経済に関わるとともに、キャッシュレス化の推進等を町とともに進めてきた。

 みずほグループは今回の取り組みを契機に、今後は八丈島にとどまらず、全国の自治体や企業と連携した社会課題解決に貢献できるサービス展開を強化する。

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