富士山を文化資源に富裕層誘致 地銀らが連携 滞在型の体験提案へ
2022.02.21 00:00
富士山を物見遊山でなく高付加価値な滞在型観光の資源にしようと、地元企業らによる地域活性化プロジェクトが進んでいる。富士山ラグジュアリーツーリズムコンソーシアム(通称:Best of The Fuji)を結成し、国内外の富裕層をターゲットにウエルネス体験や芸妓ガイドによる文化体験、デスティネーションウエディングなどを提案する。富士山が信仰の対象で周辺地域が芸術の源泉という点に着目した。訪れる人にインスピレーションを与える旅をテーマに周辺地域へ誘客を促す。
コンソーシアムに参画するのは、静岡銀行、日本平ホテルなど4宿泊施設、伊豆箱根交通、富裕層マーケティング会社のルート・アンド・パートナーズの計7者。事業は、文化資源を活用して上質な観光コンテンツの造成を促す文化庁の21年度事業にも採択された。文化庁の担当者は「富士山の楽しみ方はこれまで、見る、写真を撮るなどで、文化の理解につながっていなかった。活用されていなかった文化資源が多く含まれる」と評価する。
提案するプログラムの1つがウエルネス体験だ。昨年11月の実証実験では、富士宮市にある日月倶楽部 ・富士山精養園の広大な園内でのウオーキングやフォレストベイジング(森林浴)、ハーブウオーター作りを組み込んだ。ルート・アンド・パートナーズの増渕達也代表取締役によると、特にフォレストベイジングは富裕旅行商談会などでコンセプトが理解され、受けが良いという。すでに国内の一部旅行会社が商品化に動きだしている。
他自治体との連携にも取り組む。日本全国には富士山を連想させる“あやかり富士”があり、広域ルートを仕立てたい考え。海外の山岳地帯との連携も視野に入れている。
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