JTB中間期、最終黒字に転換 非旅行業や本社ビル売却が貢献

2021.11.29 00:00

通期の最終黒字に自信をみせた山北社長

 JTBの22年3月期中間期(21年4~9月)連結決算は純損益が67億3000万円の黒字に転換した。前期は781億7200万円の赤字。出入国制限や緊急事態宣言の影響で旅行業は低迷したが、ソリューション事業など旅行以外が伸び、本社ビルなど固定資産の売却による特別利益311億円も貢献した。営業損失は330億7900万円で、前期の710億7000万円から改善。拠点数や人件費の削減が計画どおり進み販管費を圧縮した。

 売上高は38.5%増の1798億4500万円。このうち旅行業は14.8%増の867億円、ソリューション事業や商事、出版などその他が71.5 % 増の931億円となり、非旅行業が全体の52%を占めた。コロナ禍前の19年度は13%だった。山北栄二郎代表取締役社長は会見で「通期の最終黒字を守る」と自信をみせた。

 国内旅行は22年度上期に19年度並みに回復する半面、海外・訪日旅行の本格回復は23年度と見通す。成長戦略としてソリューション事業を引き続き強化する。今上期は特に企業の会議・イベント運営やプロモーション支援が拡大したが、観光地の整備・運営やデジタル化支援などエリアソリューションを強力に押し進め、売上総利益に占める割合を28年度に19年度比で倍増の15.1%に引き上げる計画だ。

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