宿認証のサクラクオリティ、JALと提携 GSTC認定団体目指し エコラベル乱立で
2024.02.26 00:00
全国の宿泊施設を対象にした品質認証制度を手掛けるサクラクオリティマネジメントは日本航空(JL)と提携し、GSTC(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)認定の認証機関を目指して体制を強化する。GSTCは持続可能な観光の国際基準を設定・管理する組織。事業者や地域が基準に準拠しているかどうか、GSTCが認めた機関を通じてお墨付きを与える。現在、宿泊領域の認定団体は世界で6団体のみ。サクラクオリティは24年中の仲間入りを目指し、JLと取り組む。
監査員2人以上を擁することが認定条件の1つで、JLが社内で監査員を育てる。JLによると、すでに候補者4人がGSTCの定める研修を受け筆記試験に合格した。実技試験などを経て、5月には監査資格を得られる見通し。
背景には、GSTCの基準に準拠していると公認されたエコラベルが世界的に乱立していることがある。宿泊施設の立場に立てば、欲しいのはGSTCのお墨付きの印。だが、GSTCは昨年規約を改定し、GSTCのマークを使用できるのは認定団体が認証した事業者のみに限定した。サクラクオリティは公認ラベルの1つだが、認定団体になることで事業者のニーズに対応したい考え。
一方のJLは中期経営計画でESG戦略を成長の軸に据え、環境負荷軽減や社会課題の解決に取り組んでいる。昨年9月には、航空会社として世界で初めてGSTCに加盟した。サクラクオリティへの関与はそうした流れの一環だ。
これと同時に、JLは営業部署内に専門チームを編成し、DMOなどからの相談を受ける体制を整え、セミナーやコンサルティングなど行う予定。また、サクラクオリティの認証範囲を宿泊施設にとどまらず、ツアーオペレーターに広げることも描いている。
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