阿蘇旅館組合が大賞受賞 観光庁のサステナブルな旅アワード

2023.11.06 00:00

観光庁の石塚智之審議官(右)から表彰される阿蘇旅館組合の永田祐介副理事長

 観光庁が創設した「持続可能な観光にかかる旅行商品のアワード」で、阿蘇温泉観光旅館協同組合のツアーが大賞に選ばれた。受賞した「特別な許可を得て草原体験!噴煙を上げる阿蘇中岳火口と『千年の草原』E-MTBライド」は、研修を受けたガイドが同行し、普段は立ち入れない草原をクリーンな電動マウンテンバイクで楽しむ企画。

 阿蘇の草原は保全に必要な野焼きを行う人が減り、課題となっている。ツアー代金の一部を活動資金として還元し、観光を通じて守る仕組みが評価された。小林英俊審査委員長(北海道大学観光学高等研究センター客員教授)は「地域のどの旅行事業者でもできる社会的仕組みを整えた。今後のツーリズムのあり方を考える例になる」と称賛した。

 準大賞には、日本で初めてサステナブルツーリズムの国際認証を取得したTricolageの「Connecting to Yatsugatake」と、かまいしDMCの「漁村集落の小さなお宿交流と漁民が守りつなぐ海山体験」が選ばれるなど、地域に密着した旅行企画が光った。

 小林委員長は「1つ1つの規模は小さいが日本の観光が変わる大きな力になる。サステナビリティーが根付き始めている」と期待を示した。