「クルーズでもナンバーワンに」 ベストワンドットコム澤田秀太会長、初単独チャーターが試金石

2023.11.06 00:00

左からコスタクルーズの浜岡聡一日本・韓国支社長、ベストワンの澤田会長、野本洋平代表取締役社長

 クルーズ予約サイトを運営するベストワンドットコムは来年6月、金沢発着の日本海周遊4泊5日チャータークルーズを2本実施する。これまではエイチ・アイ・エス(HIS)とその子会社クルーズプラネットとの3社共同でチャーターを行ってきたが、単独では初めて。澤田秀太代表取締役会長は「事業基盤を拡大するため、2歩、3歩先のチャレンジ。次の成長ステージに向けてリスクを取る」と話す。

 チャーターするのは、コスタクルーズの「コスタセレーナ」(11万4500トン、乗客定員3780人)。6月15日発、同19日発と連続で運航する。早割・リピーター割適用で8万3000円から売り出した。外国船による日本周遊は規制上、海外に寄港する必要があり、金沢が起点となれば短い旅程が可能で参加しやすい。外国船クルーズは7泊以上が中心となるなか、同じチャーターでも差別化を図れると踏んだ。

 コスタにとっても金沢は日本参入時に拠点とした重要な港で5年ぶりの運航。「再開を求める声が出ており、実現させることは社会的意義もある。クルーズ業界を拡大させるため自ら市場をつくっていく」(澤田会長)

 クルーズはコロナ禍で大打撃を受けたが、ベストワンでは5月ごろから一気に需要が戻り、予約はコロナ前の2~3割増で推移。今期(24年7月期)の売上高はコロナ前の19年7月期の21億円を超え30億円と見通す。次の成長へ単独チャーターが試金石になると見る。

 澤田会長はHISの常勤取締役も務める立場だ。クルーズを扱う系列3社はそれぞれ客層が異なり、市場の奪い合いはない。「3年後に3社合計で150億~200億円の規模にし、クルーズでも業界ナンバーワンを目指したい」。強い意気込みを見せた。

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