ケアンズ観光局、環境保護につながる観光の形を発信

2023.09.29 16:06

施策を発表したケアンズ観光局のマーク・オルセンCEO

 ケアンズ観光局は9月15日、観光ミッションが来日し、「未来を育む観光のカタチ」と題した取り組みを日本市場に向けて発信した。世界的にオーバーツーリズムや環境保護と観光利用の両立が課題となるなか、独自の施策で持続可能な観光の形を示した。

 グレートバリアリーフと熱帯雨林の2つの世界自然遺産を持つケアンズでは、さまざまなオーバーツーリズム対策を講じている。1日当たりの入島者数制限、ごみを1つも残さない、サンゴに優しい泳ぎ方の伝授などだ。これと同時に環境保護体験を販売している。

 一例として、グレートバリアリーフでは観光で利用できるエリアを全体の7%に定め、1週間滞在しながら海洋保護活動に参加できるプログラムなどを設けている。熱帯雨林では林道を作らず、植樹やカーボンオフセットを実施。植樹はオンラインでも参加できる。そのほか、サンゴ礁の状態を撮影・測定するなどの調査もプログラムとして販売し、研究や保護につなげている。

 ケアンズを訪れる日本人観光客は6月に19年同月の70%まで回復した。ヴァージン・オーストラリア航空の新規就航など直行便が増え、追い風となった。ケアンズ空港やコンベンションセンターなど観光インフラ整備も行いながら、地元の各自治体や観光関連企業と協力し、観光客誘致と環境保全を両輪で進めている。

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