JTB、3期ぶり営業黒字に 今期はBPO減少で減益予想

2023.06.05 00:00

 JTBの23年3月期(22年4月~23年3月)連結決算は、旅行事業の回復を背景に売上高が前期比67.9%増の9779億7700万円となり、営業損益が336億3600万円の黒字に転換した。前期は48億8000万円の赤字で、営業黒字は3期ぶり。国内旅行が全国旅行支援に後押しされて回復し、旅行以外の事業も順調に伸び収益拡大に貢献した。純利益は5.3%増の299億5800万円。

 部門別に見ると、旅行事業は125.4%増の4755億5200万円、MICE や地域交流・BPO、商事、出版など旅行以外の事業が35.3%増の5024億2500万円。旅行以外が占める比率は前期より縮小したものの、51.4%と過半数を占めて下支えした。旅行事業は8割が国内旅行(121.1%増の3867億円)で、海外旅行は19倍に拡大したものの409億円にとどまった。訪日旅行は147億円、グローバル旅行は331億円。

 構造改革が進み、コロナ禍前の20年3月期に売上総利益の85%を占めていた固定費は500億円減り、75%まで低下した。自己資本比率は18.6%へ前期から3.3ポイント改善した。

 今期は売上高が12.8%増の1兆1034億円と大台を回復する見通し。ただ、営業利益は60.2%減の134億円の予想。コロナ対策関連事業の縮小に伴い旅行以外の事業が減り、事業開発と人材への投資が増えることが要因。市場の回復予想は、国内と訪日旅行が19年度の9割、海外旅行は5割程度と見ている。

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