石井スポーツ、旅行業参入でツアー自営化 初心者に照準 物販と相乗効果

2023.05.29 00:00


大菩薩嶺には初心者や富士登山のステップアップにお勧めのツアーを設定。写真は雷岩からの眺望

 登山・スキー・アウトドア用品専門店を全国展開する石井スポーツは、石井スポーツアドベンチャーズを設立して旅行業(東京都第2種)に参入した。石井スポーツで開催してきた登山学校やスキーアカデミーなどのイベントに加え、他の旅行会社の協力を得てきた登山・スキー等のツアーを独自に企画・運営できるようにし、事業とサービスの拡大強化を図る。

 主なターゲットは、初心者や専門家の指導によるスキルアップを希望する人たち。より安全で快適に楽しめるアウトドア体験のノウハウなどを提供する。登山やスキーでは、それぞれのシーンに応じた適切で便利なウエアや道具類が必要となることから、その紹介や現場でのアドバイスなどを通じて、石井スポーツ店舗での物販拡大との相乗効果を図る。アイテムの販売では、同じヨドバシホールディングス傘下で展開されている通販サイトのヨドバシ・ドット・コムとも連携する。

 同社ならではの特徴や強みを生かしたツアー例としては、岩場の登降下技術講習会(現地集合・解散:旅行代金1万2000円)や地図読みの講習実践(同7500円)、石井スポーツ所属の著名な登山家が同行するツアー(同1万7000円)などがある。これまで販売は日帰りコースのみだが、夏商品として1泊2日の富士山や北アルプスへのツアーも近日発売を予定している。

 商品の告知は石井スポーツの店舗にチラシを置いたり、店舗での技術講習会参加者などに案内したりする。予約はウェブのみで受け付ける。登山とスキーの取り扱い比率は7対3程度の想定で、これにトレイルランニングなどが加わる。当面は日本人客が中心だが、増加が期待できる訪日客も将来のターゲットに見据えている。

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