海外旅行への慎重さ、日本際立つ アメックス調査 インバウンドは好調

2023.04.10 00:00

 アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが日本を含む世界7カ国で実施した23年の旅行動向調査によると、日本人の旅行意欲は高まっているものの国内旅行が中心で、海外旅行には慎重な姿勢が見られる。一方、日本のインバウンドの見通しは好調で、旅行先としての日本人気は堅調となっている。

 1000人が回答した日本での調査によると、約半数の46%が23年の旅行は22年と比べて回数を増やすとしており、51%が少なくとも3回以上の旅行を計画するなど積極的だ。しかし、その旅行先の1位は国内で、2位が米国本土、3位がハワイとなった。出かける際に利用予定の交通手段は、トップ3が国内線(59%)、自動車(48%)、鉄道(39%)。国際線は33%にとどまった。国際線の利用は調査した7カ国平均の57%と比べて大幅に低い。

 物価高の影響で23年の旅行計画を海外から国内に変更した日本の回答者は29%を占め、海外旅行に慎重になっていることがうかがえる。旅行にかける予算でも日本人は平均19万5874円と7カ国中で最も低く、56%が22年と同額程度と回答した。ただし、1981~2012年生まれの若い世代は、より少ない予算で泊まれる宿泊施設や旅行を選ぶ人が31%を占め、国内旅行に変更する人々の割合を上回った。

 一方、23年に予定しているアジアの旅行先では、日本が40%で1位となり、2位シンガポール(33 %)と3位タイ(30%)に差をつけた。調査対象の日本、米国、カナダ、メキシコ、豪州、インド、英国の中でインドを除くすべての国が日本を1位に挙げており、インバウンド需要は強い。なお、日本人の旅行先トップ3は、日本、韓国、タイ・シンガポールの順だった。

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