日本人宿泊者数、コロナ前超え 23都道府県でプラス 全国旅行支援が追い風

2023.01.16 00:00

 観光庁の宿泊旅行統計によると、22年10月の日本人延べ宿泊者数は4215万人泊で19年同月を5.9%上回った。19年を上回るのは、コロナ禍がやや落ち着きを見せていた21年12月以来10カ月ぶり。11月も速報ベースで4170万人・19年同月比2.7%増とコロナ禍前を上回った。10月11日から実施した全国旅行支援により、日本人の宿泊旅行需要の底上げにつながったものとみられる。

 10月を都道府県別に見ると、23都道府県で19年同月比プラスとなった。伸び率が高かった上位は神奈川県(38.5%増)、栃木県(28.2%増)、京都府(28.1%増)、山口県(26.8%増)、岐阜県(26.5%増)の順。また前年同月との比較では全体で32.7%増となり、都道府県別では沖縄県(71.6%増)、京都府(65.6%増)、神奈川県(56.0%増)、奈良県(55.3%増)、千葉県(53.3%増)の順で伸び率が高かった。

 入国時の水際対策が10月11日から緩和されたことで、外国人延べ宿泊者数も回復傾向が見られる。10月は212万人泊・19年同月比79.4%減、11月は速報ベースで400万人泊・19年同月比55.8%減と19年当時にはまだ遠く及ばないとはいえ、9月まで9割以上のマイナス成長が続いてきたことに比べると、今後も急速に回復していくことが期待される。

 国籍(出身地)別の外国人延べ宿泊者数は米国(シェア16.2%)、韓国(13.6%)、香港(5.8%)、中国(5.7%)、タイ(5.5%)の順に多く、この上位5カ国・地域で全体の46.8%を占める。19年同月比では7割以上減少している国が多いが、前年同月と比較すると、香港(4561.7 % 増)、韓国(4103.7 % 増)、タイ(2948.9%増)、台湾(2941.5%増)などが大きく増加した。