クルーズ復活へ今秋の情報発信が鍵 クルーベル調査で指摘 消極的マインド変える対策必要

2022.08.22 00:00

 クルーベル・コミュニケーション・ジャパンが実施したクルーズに関する意識調査で、9割近くが日本発着や海外クルーズに前向きな半面、心理的負担を抱えている現状が明らかになった。旅行会社への期待は高く、調査では、消極的なマインドを変えるために業界一体となった即時の情報発信やプロモーションが必要と指摘している。

 同社はセレブリティ・クルーズの日本地区代表ストラテジックパートナーで港湾やインバウンドのコンサルティング業務を行う。調査は、クルーズの早期復活に向け、リピーターや高関心層の意識から課題や解決策を探る目的。6月にアンケートで325人から聞いた。

 日本発着・海外クルーズを予約済みが31%、検討中の57%を含めると、前向きな人は88%に達した。予約済みの大半は日本発着だが、コロナ禍で海外クルーズの選択肢が少ないことも一因と見ている。再開時期は年内すぐにでもが30%、54%は23年中。

 一方、今後の乗船頻度については不安要素がうかがえる。半数はコロナ前と同様と答えたが、減るまたは行かないとの回答が31%。理由の約半数がコロナへの懸念で、円安や航空券の高騰など経済的な負担は多くはない。

 出入国手続きや海外クルーズ再開状況は6割程度が把握している一方、約4割はあまり理解しておらず、消極的なマインドが情報収集に影響しているとみる。海外発着に限れば大多数が再開時期を23年としていることからも、今年9~10月が前向きなメッセージを発信する重要なタイミングだとした。

 今後予約で旅行会社を頼りたいとする回答はこれまで個人手配だった層も含め65%に上る。このため、需要や時期に即した商品展開、販促を行えば顧客を取り込めると指摘した。

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