観光庁、GoTo不正防止へ審査厳格化 調査対象拡大や社名公表

2022.02.14 00:00

 観光庁は新たなGoTo 開始に向け、給付金の不正再発防止策として支払いに関わる審査を厳格化する。チェック項目を見直し、不正利用の疑いがある案件をより的確に抽出できるようにし、申請者に求める請求時の提出資料の範囲を拡大する。不正利用の疑いありと判断する基準も厳格化し、調査対象を拡大する。具体的な見直し内容は不正を防ぐ観点から明らかにしていない。

 参加停止事業者の公表は、「不適切」な受給が明らかになった段階でも行う。これまでは不正と判断した段階で公表していたが、未然防止に役立てる。調査に従事する人員も拡充し、現行の93人から少なくとも110人以上に増やす。外部からの通報は、GoToトラベル公式サイトの専用フォームに加え、事務局に電話でも行えるようにする。

 エイチ・アイ・エス(HIS)子会社のミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベル、ホテル運営会社JHATによる不正受給への対処では、3社のGoTo参加を停止する一方、HISは自ら不正を行っていないため措置から外した。

 GoTo事務局のその後の調査では、ジャパンホリデートラベルの不泊取引が少なくとも9302人泊分あったことがわかり、昨年末公表時点から127人泊増えた。ただ、法人顧客4社の宿泊状況が一部しか確認できておらず、さらに調査を進める。観光庁によると調査協力に各社で温度差があり、JHATについては「協力的とはいえない」としている。

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