丘珠空港にビジネスジェット誘致 札幌市がジャパンチケットと連携 富裕層取り込み

2023.12.11 00:00

連携協定を締結した札幌市の秋元克広市長(右)とジャパンチケットの田中宏彰代表取締役

 札幌市は訪日外国人向けの体験をeチケットで販売するジャパンチケットと連携協定を締結し、丘珠空港へのビジネスジェット誘致に取り組む。市は札幌の中心部から直線距離で約6㎞と利便性の高い丘珠空港の機能強化を目指しており、ビジネスジェットの利用促進はその一環。ジャパンチケットは空港から市内や近郊へのシームレスな移動手段の確保や、富裕層向けツアーの開発などにも取り組む。

 富裕層向けのツアーは、地域や季節に応じた最高の食体験を中心に、地元の観光資源を活用した付加価値の高い体験を組み合わせる。1組800万円以上の価格帯となる見通し。官民連携で地方空港を起点とした地域経済活性化のモデルとなる事例創出を目指す。

 丘珠空港を取り巻く環境は近年、大きな変化が続いている。30年度末に予定される北海道新幹線札幌開業では旅客需要の鉄道への流出が見込まれる。一方でJR北海道の赤字路線の廃止など事業範囲の見直しによる代替輸送や訪日客の増加等により、需要が拡大する可能性もある。

 このため札幌市は22年11月に丘珠空港の将来の進むべき方向性をまとめ、その後も機能強化検討会などの会合を重ねて、空港のポテンシャルを最大限発揮できるよう取り組んできた。

 現在、1500mの滑走路を30年の供用開始を目標に1800mに延伸し、50~100席程度の小型ジェット機が冬期を含めて通年運航できるよう国に対応を求めている。ネットワークの中心である道内路線に加えて、道外路線も10路線程度まで増やす構想を描く。ビジネス需要への対応などに向け、7時30分~20時30分の運用時間を1時間程度拡大し、7~21時に利用できるよう国に要望していく。

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