ホワイト・ベアー、ホームエージェント事業に光明 近藤代表「社会的意義ある」

2023.10.09 00:00

民事再生手続き終了後、元オーナー社長ながら異例の代表再任で社を率いる近藤氏。新事業は地域活性化の面も

 ホワイト・ベアーファミリーは、個人が自宅などで旅行業を営むことができるホームエージェント型の旅行業者代理業者を支援する事業を始める。コロナ禍を機にリモートで旅行を手配できるシステム環境を整えた。その仕組みと仕入れ力を生かす。

 24年2月をめどに始める「トラベルジュ事業」では、ホワイト・ベアーが所属旅行業者となり、代理業者は同社の手配システムと仕入れた素材を使ってオンラインで旅行を売る。代金はクレジットカード決済を中心にホワイト・ベアーが直接収受し、代理業者は粗利の60%以上を報酬として受け取る。保証金の差し入れは不要とした。

 リモートの手配システムに加え、強みとするのが航空仕入れだ。なかでも、個人包括旅行運賃契約を結ぶ旅行会社は全国でもわずか10数社といわれる日本航空・全日空と長年契約を結び、システム連携を行っている。この優位性を生かし、両社を含む主要5社の国内全路線・全便をツアーやダイナミックパッケージで代理業者が扱えるようにする。

 近藤康生代表取締役は「特に地方への旅行拡大につなげたい」と語る。地域活性化が叫ばれる半面、地方の旅行会社は減少し、旅行を提案できる者が減少している。代理業者としてインフルエンサーや地域で施設を運営するホテルチェーンの参画を促したい考えで、「そこにこの事業の社会的意義があるのではないか」(同)。共に商品をつくることも想定する。国内旅行から始め、24年度をめどに海外旅行に広げる。

 ホワイト・ベアーは21年10月に民事再生手続きを終了し、変化する環境で成長できるビジネスモデルを模索してきた。トラベルジュ事業では、まず100社の参画と25年3月期に売上高10億円を目指す。

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