スペイン、23年の観光の目玉はピカソ 没後50年で大々的プロモーション

2022.12.23 13:02

キャンペーンのPRにはさまざまな写真や作品を用いてピカソの魅力を伝える

 スペイン政府観光局は12月13日、旅行業関係者を対象に都内で年末懇親会を開催した。当日は22年のスペイン観光の動向を振り返るとともに、23年の日本市場向けの施策を発表した。

 スペインを訪れる全世界からの観光客は10月時点で約6300万人となり、19年同期の84.6%まで回復し、コロナ禍前の水準に近づいている。一方、日本からの渡航者は約10万人となり、22年は年間で約12万人の見込み(19年は約68万人)。

 コロナ禍前、日本はスペインでの観光総支出額で常に上位につけていた。同局は日本をアジアの最重要市場と位置づけ、日本人渡航者を30年に100万人まで増やすことを中期目標に設定している。

 その日本市場に向けて需要喚起の契機とするのが、日本人に人気の高いピカソだ。スペイン出身のピカソの没後50年に当たる23年を「ピカソイヤー2023」とし、プロモーションを展開していく。この節目の年を記念し、ピカソと縁の深いフランスをはじめ欧米など世界各地で40以上の特別展や文化イベントが行われる予定で、世界的に盛り上がりを見せている。スペインだけでも各地で計16の展覧会が開催され、来訪の動機づけとしたい考え。

 スペイン政府観光局ではこのほか、ガストロノミー、カナリア諸島、ユニバーサルツーリズム、スポーツなど各テーマに基づいたPRや、業界向けのファムトリップを実施する計画だ。

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