CO2削減へ航空と旅行会社が協力 出張者向けプログラムなど 代替燃料の普及へ
2021.11.08 00:00

二酸化炭素(CO2)の排出量削減に向け、持続可能な航空燃料(SAF)を活用する航空会社の取り組みが本格化してきた。輸送での使用はもちろん、旅行会社と提携し、旅客のフライト時に排出されるCO2の削減を促す。エールフランス/ KLMオランダ航空(AF/KL)は旅工房と協力提携で合意。デルタ航空(DL)はJTBビジネストラベルソリューションズと協定を結んだ。
SAFは廃食油や動植物油脂を原料とする代替燃料。生産から燃焼までのサイクルでCO2排出量を従来の燃料に比べて約80%削減できる。ただ、民間航空会社で使用されている約3億トンのジェット燃料のうち、SAFは0.1%にも満たず、利用と生産の拡大が求められている。
AF/KLと旅工房は年内の目標として、従来の燃料使用時と比べ推定36.3トンの排出量を削減する。環境に配慮したツアーを準備中だという。旅工房は、日本に先行するフランスの企業と共同で取り組むことで持続可能な達成目標(SDGs)への活動を強化したい考え。パリ五輪を24年に控え、今後予想されるフランスへの渡航需要の増加も見据える。
DLはSAFの導入に向けて法人顧客との連携を進めている。出張関連業務を一元管理する日本のトラベルマネジメントカンパニーの参画はJTBビジネストラベルソリューションズが初めて。JTBは契約企業にCO2削減に資するプログラムを今後提供していく。
日系では、全日空が法人契約を結ぶ企業向けのプログラムを設けた。SAFを使用したフライトを利用する際のCO2削減量を算出し、第三者機関認証を受けた証書を発行する。脱炭素化への取り組みは企業にとっても不可避となっており、参画を促す。
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