「多様性を武器にユニバーサル戦略に挑む」スペイン政府観光局局長ハイメ・アレハンドレ氏

2020.11.23 00:00

 「より多くの日本人にもっと本当のスペインを知ってもらいたい」と語り、その鍵として多様性を挙げる。各地方独自の文化や地形がもたらす観光デスティネーションの多様性を年齢を問わず幅広い層に訴求し、誘客につなげる。

 スペイン保険社会政策平等省で障がい者政策調整局長や王立障がい者局長を務めた。その経験を生かし、日本からのユニバーサルツーリズムの促進を方針の1つに掲げる。

 「スペインはユニバーサル・アクセスの先進国」。誰もが観光を弊害なく楽しむことができるよう、日本とスペインの観光分野で官民パートナーシップの構築を図りたい意向だ。着任早々、障害者の権利獲得のための運動を行う団体と意見交換の機会を設けるなど、準備を進める。

 自身はフィクション作家としても活躍しており、詩集・小説・演劇脚本・旅行小説などの著書を30冊以上出版。スペイン国際ペンクラブを創設し、複数の文学賞を受賞した。初来日して感じたのは、「日本人が思っているスペインのイメージは実際と少し違う」ということ。

 海外旅行の再開を見据え、バルセロナ、マドリード、アンダルシアといった日本人にメジャーな観光地に加え、自然豊かなカナリア諸島やグルメエリアとして名高いバスク地方、さまざまな文化や民族、宗教交錯するアラゴンなどの観光地をどのように発信していくのか。手腕が問われる。

Jaime Alejandre●1963年生まれ。国家公務員上級職。カルロス3世大学で上級行政学修士号取得。ファン・カルロス国王大学国防学専門職学位、国際関係学専門機関で国際関係学学位取得。Iniexport取締役社長、第2次国際連合アンゴラ検証団オブザーバーなども歴任。2020年9月から現職。

 

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