国際航空券の新流通規格NDC、普及へ進展も課題山積
2019.12.02 00:00

法人旅行管理会社大手のアメリカンエキスプレス・グローバルビジネスとラベルやカールソン・ワゴンリー・トラベル、FCMトラベルソリューションズは、IATA(国際航空運送協会)の新流通規格(NDC)のライブテストを始め、GDSや航空会社とともに予約を開始した。しかし、NDCを利用した予約がどんどん増えていくと考えるのは早計だ。IATAは、20年末までに航空大手21社の販売の20%をNDCのAPI経由で流通させる目標を掲げており、プロジェクトは順調に進展しているというが、依然として解決すべき問題が数多く存在している。
大きな問題は、航空会社がNDCのバージョンアップごとにきちんと対応していないことだ。自社に都合のいいバージョンに五月雨的に対応しているため、航空会社ごとに異なるバージョンがある期間動くことなる。「標準」とは程遠いのが現実だ。
技術面以外にも問題がある。旅行会社は将来の流通戦略やビジネスモデルのいずれも策定できていない。また、GDS各社はNDCをフロントエンドに設置できておらず、航空会社とも2年以上、合意できずに協議が継続している。航空会社はむしろ協議を恣意的に遅らせているのかもしれない。
NDCは来年の下半期までいわゆる配管工事が続くだろう。
この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「Steady progress for NDC, but what are the next hurdles to overcome?」
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