JL国際線予約、グローバル対応急務でアマデウス移行
2019.10.14 01:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2019/10/375ad17ec96beee577c002ace2534400.jpg)
日本航空(JL)が国際線予約基盤のグローバル化を急いでいる。10月2日、アマデウスと提携を結び、旅行会社が国際線を予約する際のGDSに推奨すると発表した。子会社として予約インフラを担ってきたアクセス国際ネットワークは21年3月末で営業を終了する。トラベルポートとの合弁会社設立が破談となってから、わずか1カ月での決断。座席流通のグローバル対応がまったなしの状況を表している。
JLは旅客系基幹システムにアマデウス製品を導入しているため、在庫と予約の情報がリアルタイムに連動し、正確性と利便性が向上する。アクセスのみに提供してきた企業契約運賃も即反映が可能。ただし、グループ運賃は21年4月から提供を開始する。
JLが世界各国で使われているグローバルGDSとの提携を急ぐのは、重要顧客である企業のニーズに応えるためだ。トラベルポートとの提携時に挙げたのが出張手配での汎用性。クラウド型精算システムのコンカーを採用する企業が増え、接続できるGDSが必要だった。IATA(国際航空運送協会)の新流通規格に準拠した技術を持つ点も大きい。
トラベルポートとはアクセスの統合を前提にしていたとはいえ、営業終了という一足飛びの決定に旅行業界では驚きが広がった。だが、「予約はアマデウスが中心で日系GDSの利用は減っている」(業務渡航系大手)と立ち位置の変化を指摘する声もある。ある中堅旅行会社の幹部は言う。「われわれも先を見据えた選択の必要がある」
今後、GDS間競争が過熱することは必至だ。トラベルポートは単独で臨むことになるが、マーク・ミーハン・アジア太平洋地区統括責任者は「何よりユーザーがグローバルGDSを求めている」と自信を示した。
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