日本人のパスポート保有率、23年は横ばいの17% 再取得の予想に反し 女性の取得割合増加

2024.02.26 00:00

 外務省の旅券統計によると、23年に国内で発行された一般旅券は340万1533冊となった。コロナ禍が収まり、前年に比べ179.1%増。3年ぶりに増加に転じた22年に続いて3桁の伸び率となった。実数では、1621万人が出国した15年を上回ったが、23年の出国者数は962万人にとどまり、渡航需要の回復は遅れている。

 旅券保有率の低さは変わらない。年末時点の有効旅券数は2064万4745冊で日本人人口に占める割合は17.0%。19年23.8%、20年21.8%、21年19.2%、22年17.1%で推移しており、23年は行動制限があったコロナ禍期間中に期限が切れた人の再取得や新規取得の効果が予想されたが、そうはならなかった。

 性別の発行数では、女性が202.4%増の187万9042冊、男性が154.9% 増の152万22491冊となり、女性が男性を伸び率・実数とも大きく上回った。これにより冊数の男女比は44.8% 対55.2%と差がついた。特に20代では女性の取得割合が高く、61.5%と6割を超えている。

 年代別では若年層の取得増加が目立つ。20代は217.5%増、19歳以下は199.7%増となった。これに続いたのは、実数こそ少ないが80歳以上の163.1%増で、50代の161.8%増、30代の161.3%増を上回った。

 増加冊数のトップは20代女性の35万9179冊、次いで19歳以下女性の28万349冊、19歳以下男性の22万7417冊、20代男性の21万4219冊となり、若年層と女性層が目立っている。

 都道府県別ではいずれも3~4倍近い伸びで、トップの佐賀は293.9%増、次いで鳥取281.9%増、熊本269.2%増。冊数でトップの東京は70万8608冊で129.0%増、2位の神奈川は34万8642冊で149.3%増だった。