港区の全員海外修学旅行、事業者決定 東武トップツアーズに 参加生徒760人

2024.02.12 00:00

 区立中学校の修学旅行を全員参加でシンガポールで行うことを決めた東京都港区は、業務を担当する旅行会社に東武トップツアーズを選んだ。公募型プロポーザル方式で7社の中から審査した。選定理由は、海外修学旅行の教育的意義を的確に捉えた提案となっていること、シンガポールへの修学旅行の実績が豊富で生徒に寄り添ったプログラムが細部まで綿密に練られていることなど。

 全公立中の海外修学旅行は異例で、注目を集めていた。港区は外国人人口の割合が高く、国際性豊かな地域特性がある。子育て世帯の多くの保護者が子供に海外留学をさせたい意向があり、世界で活躍することを強く願っていることも調査で分かった。すべての子供たちに海外経験ができる機会をいち早く設け、無限の可能性を引き出す契機になればというのが、区を挙げて海外修学旅行を実施する狙い。

 対象は、区立中学校3年生の全生徒。旅行人数は生徒760人、引率者110人。今年6月から9月の間に3泊5日で行い、現地学生との交流、セントーサ島内の見学、市内観光等を予定している。保護者の費用負担は交通費、食費、宿泊費の一部として一律5万円。そのほかパスポート代、現地活動費などで1万7000円程度の負担を見込む。

 シンガポールは英語が公用語の1つになっている国の中でも、移動時間や時差が少なく、治安が比較的良いことなどから、旅行先に選ばれていた。

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