旅行業の倒産、2年ぶり増加 23年23件 コロナ関連は減少続く

2024.01.22 00:00

 東京商工リサーチ(TSR)によると、23年の旅行業の負債1000万円以上の倒産は23件となった。2年ぶりの増加に転じ、過去30年で最少だった22年を5件上回ったが、2番目に少ない件数。新型コロナ関連倒産は16件で全体の約7割を占めた。ただ、21年の25件をピークに2年連続で減少し、コロナ禍の影響は薄れつつある。

 負債総額は25億3700万円(前年比38.4%増)で、3年ぶりに前年を上回った。負債5億円以上は22年と同じ1件だったが、1億円以上5億円未満の倒産がプライベートツアーを展開していたotomoなど5件(前年4件)と増加し、負債総額を押し上げた。

 23年の倒産件数は国内観光や訪日旅行の需要回復に支えられ、低水準に推移した。しかし、半期ベースでは過去30年で最少となった上半期(9件)から一転し、下半期は14件と前年同期の2倍。TSRは、円安が長期化し海外旅行の需要回復は鈍いことから、販売不振が長引き資金繰りが限界に達した企業を中心に、今後も増勢が続く可能性があると指摘している。

 宿泊業の23年の倒産は79件で、前年より3件増え、3年ぶりに前年を上回った。コロナ関連倒産は前年と同じ55件で、高水準が続いている。負債総額は293億5100万円(前年比24.1%増)で、2年ぶりに前年を上回った。負債1億円以上5億円未満は大きく減少したが、10億円以上の大型倒産が増加して負債総額を押し上げた。

キーワード#ホテル・旅館#新着記事