夏の海外旅行者、コロナ前の4割予測 JTB推計 近場へ短期が中心

2023.07.17 00:00

 JTBの推計によると、夏休み(7月15日~8月31日)に1泊以上の国内旅行に出かける人は前年比16.9%増の7250万人で、コロナ禍前の19年に比べ0.1%上回る見通しだ。一方、海外旅行は前年比114.3%増の120万人と倍増が見込まれるものの、19年比では39.6%と約4割のレベルにとどまると予測した。業界動向や交通機関各社の動き、アンケート調査などを基に算出した。

 今夏の海外旅行は短期傾向で、比較的日本に近い旅行先が人気。それに伴い旅行費用もわずかながら抑えられている様子がうかがえる。

 日数は3泊(26.6%)が最も多く、次いで2泊(20.1%)、1泊(11.6%)の順。3泊以下の合計は19年と比べると33.8ポイント増加している。行き先は上位から韓国(19.1 %)、台湾(16.1 %)、ハワイ(12.6%)となった。旅行費用は4万~5万円未満(16.6%)が最も多く、次いで7万~ 10万円未満(15.6%)となった。5万円未満の合計は19年と比べると32.3ポイント増加している。

 JTBの海外企画商品の人気方面では、1位ハワイ、2位韓国、3位台湾となった。グアム、シンガポールの人気も高く、アジアを中心とした近場の旅行先への需要が高くなっている。

 国内旅行に比べて回復の遅れが指摘される海外旅行だが、4月29日に日本の水際対策が終了して以来、旅行意欲の高まりが見られ、海外旅行人数は緩やかに回復している。高騰していた燃油サーチャージも、8月発券分から引き下げられることも後押しする。コロナ禍で失効したパスポートの申請も順調だ。

 一方で、航空座席供給数がまだ19年の水準まで回復していないことに加え、円安や物価高、サービス業の人手不足が課題となっている。