サウジアラビア、観光客誘致へ投資促進 23年は日本から3.2万人目標

2023.06.23 15:33

アルハサン・アルダッバグ氏

 サウジアラビア政府観光局(STA)は先ごろ都内でセミナーと商談会を開催した。石油への依存脱却と産業の多様化を目的とする「サウジビジョン2030」を17年に掲げて以降、観光を重要産業の1つに位置付けている。GDPに占める観光の割合を現在の5%から30年には10%へ引き上げる計画で、30年までに5000億ドル以上を空港開発や人材育成など観光関連分野へ投じる。

 人口が多いアジア太平洋地域の中で中国、韓国、インド、マレーシアを注力市場と位置付けるが、アルハサン・アルダッバグSTAアジア太平洋地区市場プレジデントは「日本からの渡航者が増えることで他のアジア地域に影響を与え、渡航促進につながる」と期待する。今年は日本人観光客3万2000人の誘致を目指す。

 サウジアラビアでは現在、紅海に浮かぶ50の島などが高級リゾートに生まれ変わる「紅海プロジェクト」など、大規模な開発が進んでいる。年内には紅海国際空港が開業予定。渡航者増に大きな影響を及ぼす日本からの直行便の就航については、時期など未定ながらチャーター便を含め交渉を続けているという。セミナーでは、日本人観光客が好む世界遺産が6つあることや多彩なアクティビティーなども紹介した。

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