海外旅行予算、6割が20万円未満 日旅総研調査 費用高騰もコロナ前と変化なく

2023.05.08 00:00

 日本旅行の研究部門である日本旅行総合研究所が22年12月に実施した海外旅行に関するアンケートで、次の旅行にかける1人当たりの予算は、10万円以上20万円未満が34.7%で最多となった。20万円以上30万円未満(23.3%)が次いで多い。10万円未満(22.7%)を加えると、約6割が20万円未満を占めた。

 有効回答数は約1900件。観光庁の調査で19年の観光目的の海外旅行の平均消費額は約26万円だったことから、コロナ禍の前後で大きな変化は見られない。ただ、海外旅行費用は増加傾向にあり、予算感との乖離がうかがえる。

 費用は燃油サーチャージの高騰に加え、物価高や人件費の高騰、円安で現地滞在費が上昇している。このため旅行各社のパッケージツアーも高額になりつつあるが、調査では、海外旅行保険の組み込みや出発直前でもキャンセル料が一定額まで補償されるサポートなど、需要を摘み取ろうと安心感を打ち出す商品が多く見られると分析する。またLCCを利用して比較的価格を抑えた商品を訴求する動きもある。

 希望の旅行先はハワイが圧倒的に人気で、台湾、フランス、イタリア、韓国が続く。コロナ前と大きな変化はないが、22年7月の調査時と比べ欧州方面のシェアが高まった。行動がアクティブになってきていることなどを背景に、旅行先では観光地巡りを希望する人が増えている。

関連キーワード