全国古民家再生協会とジャルパックが包括提携 古民家の活用で地域活性化 共同で推進部署

2023.03.27 00:00

全国古民家再生協会の杉本龍一理事長(中央左)とジャルパックの平井登代表取締役社長(同右)

 全国古民家再生協会とジャルパックは、古民家の有効活用によるツーリズムの活性化と観光資源を生かした持続可能な地域づくりを目指し、包括提携契約を締結した。両者は23年度上期早々に、同協会内に共同で「サステナブルな地域観光推進室」を設置する。まちづくりの専門家なども交えた体制を組み、両者が持つ強みを生かして観光による持続可能な地域活性化の取り組みを各地で展開していく。

 同協会が1月に地域活性化への連携協定を結んだ大阪府枚方市では、候補DMO(観光地域づくり法人)の設立・運営を支援する。かつての京街道の宿場町であり、歴史文化資源が集積する枚方宿地区周辺や自然豊かな東部地域で、古民家の活用などによる観光振興を図る。自治体や地域関係者と共に、25年の大阪・関西万博開催とその後を見据え、市の地域活性化と交流人口拡大に取り組むことにしている。

 訪日客を含めた観光需要の拡大が見込める枚方市でのプロジェクトに、ジャルパックはDMOの運営の一翼を担う重要なメンバーとして参画している。このことも契機に両者は包括契約を締結して連携をさらに強化する構え。今後はサステナブルな地域観光推進室が主導して、各地の観光資源を活用した地域活性化への取り組みを進める。

 同協会は、空き家や古民家、遊休施設の活用を通じた地域活性化を幅広く推進しており、古民家を改修してその土地の文化や歴史を体感しながら暮らすように泊まれる古民家宿泊整備に力を入れている。現在、全国50の自治体と連携協定を締結し、8つの地域から地域再生推進法人に指定されている。旅行会社との包括提携の締結は、18年9月のJTBに続いてジャルパックが2社目となる。

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