後払い決済やゲーム市場に商機 ユーロモニター23年トレンド予測 支出抑制の中で

2023.01.23 00:00

 市場調査会社の英ユーロモニターインターナショナルは23年に注目すべき世界の消費者トレンド予測で、節約をサポートするソリューションの開発を鍵の1つに挙げた。消費者の支出抑制は今年も続く見通し。その一方でゲームへの投資熱が高まると見て、ゲーム文化にうまく入り込むことが顧客獲得の商機につながると指摘した。

 記録的なインフレにより、消費者物価指数の上昇は全世界で24年まで続くと予測する。消費者は支出に慎重になっており、調査では今後1年間で支出を増やす予定はないとの回答が75%を占めた。消費意欲の向上につながる施策が求められており、一例として後払い決済を挙げた。分割などでの後払いは海外で「Buy Now Pay Later」と呼ばれ、買い手の負担軽減につながるとあって人気が高まっている。割引や特典を受けられるロイヤルティープログラムも効果的だとした。

 支出の見直しは、中古品の購入やレンタルなどグリーンな活動な拍車をかけ、サステナビリティーの向上につながる側面もある。ただ、サステナブルな商品は高価になりがちで、購買意欲が削がれることが課題。今後、コスト削減とグリーンコマースを一体的に目指すことが企業に求められるという。

 一方、23年はゲームの時代と見る。楽しむ層に世代間格差がなくなり、同じ趣味を持つ人たちと交流する場として機能し支出が増えている。22年のeスポーツのスポンサー契約総額は全世界で前年比12%増の見込み。ゲームで遊びながら買い物ができる広告を展開する米大手の化粧品会社もある。デジタル資産の所有は物理的資産の所有と等しく重要になったと捉え、顧客とのタッチポイントとしてゲームを組み込むことが有効と指摘した。

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