訪日外国人旅行消費、5兆円超え目標 岸田首相が表明 19年上回る水準

2022.10.10 00:00

 岸田文雄首相は10月3日、臨時国会の開幕に合わせて行った所信表明演説で、「インバウンド観光を復活させ、訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超の達成を目指す」と述べた。11日からの個人旅行再開やビザなし渡航など水際対策の緩和により、コロナ禍からの需要回復を図る。

 政府はこれまで、20年に訪日外国人旅行消費額を8兆円とする目標を掲げていた。19年は4兆8135億円で、新型コロナウイルスの感染拡大により訪日旅行が途絶えた20年は試算値で7446億円、21年は1208億円まで落ち込んだ。19年の訪日外国人旅行者は3188万2049人で、21年はわずか24万5862人。22年は1~8月が82万1900人で今後回復に向かうとみられるが、国際旅行市場をめぐる争奪戦はすでに始まっており、旅行者誘致はもとより単価引き上げが焦点となる。

 観光庁は富裕層の誘致に向け、高付加価値な宿泊施設の整備や観光資源の掘り起こし、ガイド等の人材育成に目下取り組んでいる。

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