チケッツ、小規模施設の入館管理を支援 コロナ時代に対応 屋外型も取り扱いへ
2020.06.01 00:00
オンラインで文化施設やアトラクションのチケット販売を手掛けるチケッツは、日本国内各地の文化系施設や屋外型施設に取り扱いの対象を拡大する。これまでは大都市の主要施設が中心だった。3密の回避が常態化していくなか、施設は入館者数の管理・調整が不可欠となっている。人員の拡充やシステム環境の整備が困難な地方の小規模施設にITによるサポート機能を提供し、コロナ時代の運営とチケット販売を支援することで商品数と集客の拡大につなげる。
支援策として、チケッツのサイトを通じた予約受け付けを施設側が入館状況に応じて間際でも停止できる機能を提供する。併せて、施設の公式サイト上で入館者数や曜日・時間別の価格・予約人数を制御できる機能も提供し、1年間にわたり無料で使えるようにする。
OTA(オンライン旅行会社)が自社での販売にとどまらず、サプライヤーの直販を支援するのは極めてまれ。荒木篤実日本支社代表は、「人が集まることに恐れを抱き、集客源であるOTAの利用を抑制する向きもある。われわれがいま最もやるべきは仕入れ先のサプライヤーが経営難に陥らないよう課題を解消すること。頼られる存在になり、将来的にコストを回収できればいい」と話す。
新型ウイルスの流行により、施設は休館に追い込まれ、同社にも甚大な影響を及ぼした。この機に利益度外視の先行投資で商材を広げるのは攻めの戦略でもある。支援の主な対象は、地方の動植物園や記念館、観光農園など。感染リスクの低い屋外アクティビティーへの需要の高まりにも呼応する。商品をロングテールにすることで、現在約100施設の取り扱いを年内に数百軒規模まで増やしたい考えだ。
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