JR東日本、訪日客特化の新店舗 初の食・物販融合
2020.03.09 00:00
JR東日本は3月5日、東京駅八重洲中央口改札外に訪日外国人をターゲットとする拠点「ジャパン・レイル・カフェ」を開業した。観光案内や旅行相談を行うカウンター、イベントや飲食・物販のエリアを融合し、地域資源を総合的に発信する。滞在中の計画が未定という訪日客は少なくない。さまざまな角度から興味や関心を喚起し、東北はもとより全国各地に誘致する。
同社は同じ東京駅と成田・羽田空港にパスの販売や引き換え、観光案内を行う訪日旅行センターを持つが、飲食や物販と融合した拠点は初めての試み。シンガポールと台湾で展開する形態を日本に持ち込んだ。海外では日本を知ってもらうための情報発信や接点づくりを目的とするのに対し、訪日後の旅行先や体験など、タビナカの素材を案内する。1日800人の利用を見込む。
施設面積は約430㎡。イベントエリアでは、日本文化を体験できる畳コーナーや140インチの大型ビジョン、交流の場を設け、自治体などと連携した観光プロモーションを展開する。9月までは東北6県を対象に桜や祭り、花火、工芸などを訴求する。37席ある飲食スペースでは、日本の食文化を感じるメニューや日本茶の入れ方などを学べる体験型メニューを提供する。
JR東日本は旅行商品の販売拠点であるびゅうプラザ全店を22年春までに閉鎖し、一部を訪日客やシニア会員向けに見直す拠点の再構築を進めている。カフェは昨年9月に閉店した店舗の跡地だが、東京支社の壬生祐克営業部長は「びゅうプラザ見直しの延長線上でなく、あくまで新たな発想に基づく訪日客へのアプローチ」と説明する。今後の出店計画は白紙だが、利用動向いかんでは「訪日客向けのモデルになりうる」としている。
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