旅行6社、4月からハワイ島で共同バス運行 インフラ連携で観光地開拓

2019.12.09 00:00

日系移民も多く、どこか懐かしい雰囲気があるヒロ(写真提供/HTJ)

 大手旅行6社は来年4月、ハワイ島の観光需要の喚起を目指し、共同バスを運行する。

 共同バスをめぐっては、コナなど西側地域のホテルや商業施設を巡るルートで昨年運行していたが、キラウエア火山の噴火による旅行需要減退で1年限りで中止となっていた。今回は観光地として成長が期待される東側のヒロ地域をコースに盛り込んだ。旅行会社による交通インフラ連携の可能性を模索することに加え、新たな観光地を育成する目的もある。

 メンバーはJTB、近畿日本ツーリストの地域各社、ジャルパック、日本旅行、ANAセールス、東武トップツアーズ。JATA(日本旅行業協会)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)ハワイ・サブ部会の議論に参画していた企業が名を連ねた。

ヒロにあるカフェ100 (写真提供/HTJ)

 コナを起点にレインボー滝、カメハメハ像を通過した後、ヒロにあるフィッシュマーケットやカフェなど8カ所を巡る。参画社による募集型企画商品に組み込むほか、オプショナルツアーとして販売。現地ツアー会社の太公望ハワイが水・木・土曜に1本ずつ運行する。

 ヒロは魅力的な素材があるにもかかわらず、日程や距離の問題でツアーにほとんど組み込まれていない。バスの共同運行は、集客力を高めて採算を取りやすくする利点に加え、「連携できる部分は連携し、企画力など、本来は差別化が図られる部分で勝負できる環境を整える」(ハワイ・サブ部会)狙いがある。

 ハワイ島は近年直行便が就航しているが、火山噴火やマウナケア山の望遠鏡設置に対するデモ活動が影響し、需要は減退気味。ハワイ州観光局(HTJ)も観光客が集中するオアフ島からハワイ島など隣島への観光誘致を進めており、「魅力的で多様な商品造成が期待でき、需要回復を後押しする動き」と期待を寄せている。