19年夏期日本発航空座席は120万席台半ばに到達

2019.08.19 08:00

写真提供/関西エアポート

本誌がこのほど実施した2019年夏期の航空座席調査で、国際定期旅客便の1週間当たりの提供座席数は、ローコストキャリア(LCC)の座席供給量の増加等により、一気に120万席台半ばに達した。また、航空会社数は計99社で、3桁台が目前に迫っている。

 19年夏期の週間提供座席数は前年同期を10.0%上回る124万3531席で、増加の勢いは衰えることなく、10万席以上増えたことになる。夏期・冬期ベースで見た提供座席数の推移では、13年夏期から13期連続で過去最高記録の更新を続けている。

 路線別では、トップ3のアジア線、中国線、韓国線はいずれも2桁台の伸びを示すとともに、夏期・冬期を通じて過去最高の座席数を記録。また、4位の太平洋線は18年冬期でのマイナスからプラスに転じたほか、5位の欧州(ノンストップ)線は18年冬期に続く2桁増。一方、ハワイ線はデルタ航空(DL)の福岡線運休などで15年夏期以来のマイナスを喫した。オセアニア線は微増ながらも8期連続のプラスとなっている。

 今調査対象期間(19年6月3~9日)における乗り入れ航空会社(本邦企業を含む)は99社となり、100社台が目前。18年夏期比で6社増、18年冬期比では5社増となった。18年冬期調査時点との違いは、ニューギニア航空(PX)が一時運休、インドネシア・エアアジアX(XT)は日本路線から撤退。一方、ロイヤルブルネイ航空(BI)、エアアジア・ジャパン(DJ)、マレーシアのマリンド・エア(OD)、タイのタイ・ライオンエアー(SL)、ロシアのウラル航空(U6)が就航。ウズベキスタン航空(HY)とオーストリア航空(OS)が冬期運休を終えて運航を再開した。

 このうち、ロイヤルブルネイ航空は94~98年に関西/バンダルスリブガワン線を運航していたが、約21年ぶりに今度は成田に就航した。エアアジア・ジャパンは現体制では初の国際線として中部/台北線を開設。マリンド・エアは新千歳/台北/クアラルンプール線を、タイ・ライオンエアーは成田/バンコク(ドンムアン)線など4路線を、ウラル航空は新千歳/ウラジオストク線を開設して日本就航を果たした。

 LCCの乗り入れは25社となり、18年夏期の22社、冬期の24社からさらに増加。提供座席数は18.4%増の33万5194席と初めて30万席台に達した。全体に占めるLCCのシェアはさらに高まって、2.0ポイント増の27.0%となっている。

 空港別で成田、羽田は堅調な伸びだが、関西はブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が約20年ぶりにロンドン線を開設するなど長距離路線の動きも活発で、15.0%増と17年冬期以来の2桁増。中部もアジア路線をはじめとする新規就航や増便が相次ぎ、18年冬期に続いてプラスになるとともに、32.3%増と大幅な伸びを示した。また、新千歳も2桁増に勢いを取り戻したが、那覇は韓国線・台湾線の座席数の減少などにより、10年夏期から18期続いたプラスから一転、今期は3.5%減のマイナス成長となった。

 航空会社別のトップ10で全日空(NH)は15年冬期から8期連続の1位。以下、2位日本航空(JL)、3位大韓航空(KE)、4位チャイナエアライン(CI)、5位中国東方航空(MU)、6位チェジュ航空(7C)、7位キャセイパシフィック航空(CX)までは18年冬期と順位は変わらず。一方、8位にはティーウェイ航空(TW)が18年冬期の10位から順位を上げ、それに伴ってアシアナ航空(OZ)は9位に、中国国際航空(CA)は10位に、それぞれ順位を1つ下げた。