21年冬期の日本発航空座席数、約1.5倍の14万席に増加

2022.02.14 00:00

渡航制限もあり旅客数は依然少ないものの、便数が大幅に改善した中部国際空港
(写真提供/中部国際空港会社)

 新型コロナウイルスとの闘いは依然として出口すら見えない状況が続く。しかし、ワクチン接種の拡大で新規感染者数の増加にやや歯止めがかかった21年11月時点では、日本発国際線定期旅客便の運航も回復傾向が一歩進んだ。

 トラベルジャーナルが11月初旬に実施した21年冬期航空座席調査で、日本発定期旅客便による提供座席数は前年同期比45.6%増の13万9782席と、ほぼ14万席レベルにまで回復した。ただし、本調査による提供座席数のカウントは、それぞれの使用機材の当該航空会社での標準的な座席数をベースにしたもので、ソーシャルディスタンスの確保や予約受付人数の制限等による実質的な提供座席数の減少は計算の考慮に入れていない。

 また、今調査時期を含む21年10~12月ごろには、日本における新型コロナウイルスの新規感染者数の増加スピードがそれまでより減速したことなどで、一部の航空会社では運航路線や便数等を増やす動きも見られた。しかし、その後、オミクロン株による感染が急拡大し水際対策等が再強化されるなか、当記事の掲載時点では、座席数等が再び減少していることが想定される。

 今調査時点での乗り入れ航空会社数は日系企業を含めて51社(自社機材のみでの運航のないコードシェアのみの会社を含めると52社)。21年夏期調査時に比べて4社増で、ジンエアー(LJ)、モンゴル航空(OM)、ネパール航空(RA)、スカンジナビア航空(SK)による運航が加わった。

 51社のうちローコストキャリア(LCC)はスプリングジャパン(IJ )、ジンエアー(LJ )、スクート(TR)、ZIPAIR Tokyo(ジップエア・トーキョー、ZG)、セブパシフィック航空(5J)、チェジュ航空(7C)、春秋航空(9C)の7社6952席。20年冬期調査比で16.8%増、シェア5.0%となった。なお、21年夏期調査時では6社4723席、前年同期比262.7%増、シェア4.1%だった。

 路線別でトップはアジア線、2位は太平洋線、3位は欧州(ノンストップ)線の順。アジア線は21年夏期調査時に続いて1位の座を保ち、前年同期比86.7%増と全体の伸びを牽引した。4位以下は中東・アフリカ線、中国線、韓国線、オセアニア線などと続くが、中国線と韓国線は20年冬期調査時の座席数を下回った。

 空港別では、コロナ感染拡大防止の水際対策の関係などにより引き続き主要5空港での定期便運航にとどまっており、いわゆる地方空港での運航再開までには、まだ時間がかかりそうだ。なお、5空港とも提供座席数は大幅に増加しているが、20年冬期調査時との比較では、座席数はまだ少ないものの、中部空港の伸びが目立っている。

 航空会社別では日本航空(JL)が20年冬期、21年夏期に続いて1位となった。全日空(NH)は僅差ながら2位の状態が続いている。3位のシンガポール航空(SQ)、4位のユナイテッド航空(UA)の順位は21年夏期と変わらず。5位にはフィリピン航空(PR)が21年夏期の6位から順位を1つ上げた一方、5位だったデルタ航空(DL)が1つ順位を下げた形。また、トップ10の航空会社の中では、21年夏期に続いて9位のZG が、成田/ホノルル線の開設等により最も高い伸びを示している。

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